コラム
北九州市小倉北区の司法書士 – 相続手続・遺言書作成・不動産登記
コラム
先日、若くしてお亡くなりになった方の相続の事例に遭遇しました。
その方には配偶者と子供はおらず、父母2人、双方の祖父母4人、兄1人という親族構成でした。
被相続人(故人)に子や孫がいない場合、あるいはいるけれどその全員が相続放棄をした場合には、第2順位として「直系尊属」が相続人となり、直系尊属もいなければ第3順位の兄弟姉妹が相続人になります。
「直系尊属」とは、被相続人(故人)からみて、父母や祖父母といった上の世代のことです。“直系”なので叔父や叔母は含みません。
(もちろん父母・祖父母の方が先に亡くなっているケースの方が多いので、直系尊属が相続人になる事例の割合はそんなに高くありません。)
今回の事例で行った手続きは“相続放棄”でした。親族全員、必要な人はまとめて相続放棄したいというご要望です。
故人には配偶者と子供がいませんので、まずは第2順位の「直系尊属」が法定相続人に該当することになります。
直系尊属には「父母2人」と「祖父母4人」が該当しますが、ここで気になるのはこの6人全員が第2順位として法定相続人になるのか??ということです。
故人の祖父母がご健在の相続事例というのはほとんど目にしませんので、恥ずかしながら一瞬「ん??」と思ってしまいましたが、ちゃんと民法の条文に書いてました。
民法889条1項1号で、第2順位の相続人は、「直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。」と。
つまり、同じ第2順位の中にもさらに優先順位があって、父母(1親等)がいれば祖父母(2親等)より優先して法定相続人になる、ということになります。
ということで、今回の相続放棄の手続きはまず最初に「父母2人」の相続放棄をしました。
父母が相続放棄したことではじめて、次に近い直系尊属である「祖父母」が法定相続人になりますので、第2弾で「祖父母4人」の相続放棄をしました。
そして直系尊属が全員いなくなった(相続放棄した)後に、第3弾、第3順位として兄が相続放棄、という流れです。
ちなみに相続放棄は原則として、「自己のために相続開始があったことを知ってから3ヵ月以内」に家庭裁判所に申述する必要がありますが、今回の事例で言うと、父母は「亡くなったことを知ってから3ヵ月以内」に家庭裁判所へ申述が必要となりますが、祖父母の場合は「父母2人が相続放棄したことを知ってから3ヵ月以内」、つづいて兄は「祖父母4人全員が相続放棄したことを知ってから3ヵ月以内」に相続放棄をすれば良いことになります。
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